2011年とほぼ同じタイミングで、12年もギリシャ問題に端を発した欧州債務問題が世界の金融市場をリスク回避へと駆り立てている。
東京株式市場においても、11年と同様に大きく売り込まれ、日経平均株価は下落した。しかし、売られ過ぎから割安感が強まっている。リスク回避の嵐が過ぎれば、それを修正する動きが出てくるのではないか。
12年の欧州債務問題では、ギリシャのユーロ離脱が懸念されているほか、スペインの金融機関に対する不安などが高まっている。そのため、世界の金融市場では株売り、債券買い、資源国通貨・新興国通貨売りといったリスク回避の動きが顕著だ。
しかし、為替市場においては、ユーロが一部の資源国通貨や新興国通貨に対して高い、などといった現象も見られた。本来、欧州がリスク回避の要因であるならばユーロ全面安が道理である。景気の弱さを示す経済指標などから、欧州、米国、中国に景気減速懸念があるのは確か。しかし、何でもかんでもリスクを回避するというのは少し「行き過ぎ」ではないだろうか。
その傾向は、東京株式市場でも同じだ。テクニカル的に売られ過ぎのシグナルが出ている。