
世界のイールドカーブが再びスティープ化し、経済成長の兆しを示しているのに、投資家たちの多くがこれを無視している。米著名投資家ケン・フィッシャー氏は、このシグナルが銀行貸出を後押しし、特に欧州株や日本株のバリューセクターを強く牽引すると指摘する。米国株の出遅れと長期金利上昇への恐れが、実は新たな強気チャンスを生む可能性であると我々に投げかける。
無視されている世界のイールドカーブ
再スティープ化という強気シグナル
ほとんど無視されているが、強気な兆しが現れている。世界のイールドカーブが再びスティープ化している。

周囲のノイズをシャットアウトする自分の才能に気づいたことはあるだろうか。ついにはノイズが止んだことすら気づかなくなるほどに。今、投資家達は重要なグローバル経済指標でまさにそうなっている。「イールドカーブ」が静かに再びスティープ化している。あなたはこれで利益を得られる。
イールドカーブとは短期から長期の国債金利の差をグラフ化したものだ。通常、左側の3カ月物利回りから右側の10年物利回りまで上向きのカーブを描く。最長と最短の金利差(通常10年物と3カ月物)が「イールドスプレッド」だ。
スプレッドがしっかりプラスならカーブは「スティープ」と呼ばれ、経済成長を予感させる。これは強気要素だ。マイナスなら「逆転」で、完璧ではないが通常は景気後退の前兆となってきた。理由については以下でご説明しよう。