テリーザ・メイ英首相は21日、欧州連合(EU)と合意した離脱案が先週大差で否決されたことを受けて、議会に代替案を提示した。だが当初案から大きな変更はなく、目新しい提案は示されなかった。首相は議会演説で、合意案のさらなる修正を求めてEUと協議する意向を表明。与野党双方の懸念を払しょくするため、将来の通商協定を巡る交渉で議会の発言権をさらに高めるとした。ただ、EU離脱を巡る代替案は新味に乏しく、首相は「われわれが見いだす必要があるのは、議会の支持を得られる方策だ」と述べるにとどめた。メイ首相は合意案に多少の変更を加えれば、議員が最終的には支持に回ると読んでいるようだ。英国は引き続き3月末に離脱する見通しで、多くの議員は円滑な離脱に導く取り決めを望んでいる。メイ氏は時間切れが迫る中、交渉の延期やEU離脱に関する2度目の国民投票の要請を再び退けた。