基本的な資産運用方法と、計画的な取り崩しの方法について図2にまとめてみた。

(図2)高齢期(前期・後期)の資産運用と取り崩しの方法

 資産運用の方法は、現役時代と同じでいい。簡便法としては、資産を「リスク資産」と「無リスク資産」に分けて、前者を外国株式と国内株式のインデックスファンドを6対4くらいに組み合わせて運用し、後者は当面(≒長期金利が2%を超えるくらいまでは)、個人向け国債変動金利型10年満期と普通預金でいい。

 主に考えるべきポイントは、リスク資産への投資額だ。

 手持ちの資産額(A)から最晩年に残しておきたい資産額(H)を差し引いた額を、余裕を持って考えた余命(平均余命プラス10年くらいが必要)までの月数(例えば、残り25年なら300ヵ月)で割ってみて、この取り崩し可能額がどの程度減っても大丈夫なのかから、リスク資産への投資可能上限額を逆算するといい。

 例えば、現在70歳で95歳までの余命(25年=n)を考えている人がいて、資産を5000万円持っていて、最晩年に2000万円(H)持っていたいと考えているなら、残りが300ヵ月なので、毎月10万円取り崩すことができる。この額が1ヵ月に2万円減っても大丈夫だという見当をつけられるなら、(2万円×300ヵ月)×3倍で1800万円までがリスク資産で運用できる金額の上限だ。

「3倍」は、内外のインデックスファンドで運用する場合の1年間の損失額のおおよその最大値が「3分の1の損」であることから、逆に求めたものだ。

 必ずしも、この上限額いっぱいまでリスク資産に投資しなければならないというものではなく、「最悪の場合、1年間に最大3分の1損するかもしれないが、同様の確率で4割くらい儲かることがあり、平均的には年率5%くらいのリターンがあるもの」を額としてどのくらい保有するかと考えるのが、リスク資産に対する運用額を決める基本的な考え方だ(注:年金基金などの機関投資家が使っているリスクとリターンから求めている)。