トランプ米大統領は就任後初の財務省高官との会合で、中国を為替操作国に認定するとした選挙公約を早くも見直し始めていた。ホワイトハウス元高官の著書「チーム・オブ・バイパーズ」(毒ヘビチーム)で明らかになった。来週出版されるこの新刊本によると、トランプ氏はスティーブン・ムニューシン財務長官の側近ダン・コワルスキー氏から、中国は人民元相場を操作していないと聞かされると「本当か」と、興味と驚きがないまぜになった表情で応じた。このことは多数のファクトチェッカー(事実を検証する人)が前年に警告済みだった。コワルスキー氏はトランプ氏に、人民元についての理解が間違っていることを示す内部報告書があると話した。トランプ氏はムニューシン氏を見ながら「その報告書を読まなければならない」と語った。トランプ氏は就任82日目のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで方針転換を表明したが、経済データに基づく判断というより、戦略的判断だと位置づけた。