――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター *** 【ダボス(スイス)】1年前には、世界経済がようやく金融危機以前の好景気に戻るかのようにみえた。しかし現在、その好景気は、まだ始まりもしないうちに終わってしまったのかもしれない。  ただし、間もなくリセッション(景気後退)に見舞われるということではない。国際通貨基金(IMF)は依然として、今年の世界経済の成長率を、まずまずの水準である3.5%と予想している。しかし、これは2回目の下方修正を経た数字である。