ベネズエラはもはや、かつてのベネズエラではない。西半球で最も豊かな国の1つから最も貧しい国の1つへ転落したという衝撃的な話だけではない。石油輸出国機構(OPEC)創立メンバーで唯一中東以外の国であるベネズエラに世界的な影響力をもたらしていたコモディティー、つまり原油の市場でさえ、広がりを見せる同国の危機をあまり気に留めていないようだ。ドナルド・トランプ米大統領と中南米の主要諸国が野党指導者のフアン・グアイド氏をベネズエラの暫定大統領として承認して以来、国際原油価格は少し下げている。独裁者のニコラス・マドゥロ大統領が今も治安部隊やロシア、中国といった重要な同盟国から支持されているため、武力衝突が起きたり、米国が非常に厳しい制裁を科したり、あるいはその両方が現実となったりする可能性もある。そうなれば、同国の原油輸出は大きな打撃を受けるだろう。
ベネズエラ混迷に動じない原油市場、その理由は
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