検査の希望者は、ほとんどが全身にがんが転移した患者。従来の治療が効かない患者にとっては、残された数少ない“希望の灯”だ。

「高額でも受けたい」
60万円以上の検査に問い合わせが殺到

 この検査を自由診療で受けるときの大きな問題が価格である。医療機関によってさまざまだが、60万~100万円超と高額なのだ。実施する各医療機関には問い合わせが殺到しているが、経済的な理由で涙をのんだ患者も多いだろう。

 そんな網羅的がん遺伝子検査の一つである「NCCオンコパネル」が、今年の初夏以降、先進医療に指定される予定だ。加入する民間の医療保険の条件や、検査を受ける医療機関にもよるが、自由診療よりも安くなる可能性がある。

 厚生労働省は2月、全国11の医療機関を「がんゲノム医療中核拠点病院(ゲノム中核)」に指定(上下図参照)。がんゲノム医療を全国の患者に届ける体制づくりを本格化する姿勢を示した。

 ゲノム中核となったある大学病院の医師は、「来年以降、ほかの種類の検査も次々に先進医療になりそうだ」と明かす。

 果たして、がんゲノム医療は身近な存在になるのか。希望だけではないがんゲノム医療のシビアな現実を次項からレポートする。