米国の航空会社は顧客層の細分化という新しい秘密兵器を試している。今のところ成功しているようだが、景気後退期における効果について経営陣は過大評価しているようだ。2018年の米航空各社は終盤こそ低迷したが、かなり稼いだ。珍しく黒字が9年続いている。アメリカン、デルタ、ユナイテッドといったレガシーキャリア(従来型の大手航空会社)では、増益の多くをプレミアムクラスが担った。高い席は利幅が厚いが、旅客は安いチケットに殺到するため埋めるのが難しいことも多い。しかも景気後退期には、基本的にビジネス客向けの豪華なサービスに対する需要は落ち込む。次の景気後退期にはそうならない、とデルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は述べた。顧客層の適切な分類が「需要低迷を相殺」するという。運賃クラスを増やし、料金の差を縮小すれば、旅客は常に予算に合ったクラスを見つけられるという考えだ。