野球は和製英語の宝庫
「フォアボール」って何だ?

 とりわけ野球には、意味不明な和製英語が多い。「フォアボール」をはじめ、「ナイター」「ノーコン」「オーバースロー」「アンダースロー」「サイドスロー」「フルベース」などは、英語圏では全く通じない。「キャッチボール」はボールを投げ合うではなくつかむという意味になるし、「タッチアウト」は「触れると終わり」ということからやけどを意味し、「バックホーム」は家へ帰れとなり、「デッドボール」はなんと試合終了、もしくは中断になってしまうらしい。

 こう書くと私が野球に詳しいようだが、実は日本の高校野球を舞台にした児童書の書評を海外向けに書いているうちに、野球が他のスポーツに比べ和製英語が多いことに気が付いたのだった。

 どうして多いのかについては諸説あり、あくまでも私見だが、野球は日本に輸入されてからの歴史が長く、独自の表現が育ちやすかったことに加え、戦時中に英語の野球用語が日本語に置き換えられ、戦後にそれが謎の英語になったのではないだろうか。例えば、「フォアボール」は四球、「デッドボール」は死球という関係などから推測できることだ。

 今の時代、マラソンなどで使われる「トップランナー」という和製英語は「フロントランナー」に正してもよいかなと思ったりする。

 地面の上を走るランナーは横移動しているのだから、上を意味する「トップ」ではなく、ネーティブは前を示す「フロント」と呼ぶ。この語感に子どもの頃から触れると、英語を概念的に学ぶ上で役立つ気がする。まあ、1896~1932年の夏季オリンピックの体操競技種目「綱登り」や、富士登山競走のような速さと高さを競うような競技であれば、「トップランナー」でも間違いないかもしれないが…。

 同じ理由で、「ナイスプレー」や「ファインプレー」というおなじみの用語も、ネーティブが普通に使う「グッドプレー」にしたほうがグローバルレベルかもしれない。