こうした手続きは葬儀社が有料で代行してくれる。葬儀社に依頼しない場合は、遺族が自分でやらなければいけない。

 やるべきことはほかにもたくさんある。

 相続コーディネーターで相続支援事業「夢相続」の曽根恵子代表は、やるべき手続きをまとめたリストを作っておいたほうがいいと助言する。

「葬儀会社が代行してくれるサービスもありますが、各種の名義変更など遺族自身がやらなければならないものも少なくありません。実際に手がけてみると思った以上に時間や労力がかかるので、準備が必要です」

死後の手続きの流れ死後の手続きの流れ(週刊朝日 2019年3月1日号より)
拡大画像表示

Q2:自動車、不動産の名義変更は急がないと損をする?

A:意外と手間がかかるのが名義変更。例えば不動産や銀行の預金口座の場合を見てみよう。どちらも、故人の出生から死亡まで一生分の戸籍謄本のほか、相続人全員の戸籍謄本、実印と印鑑証明などが必要だ。司法書士かなた法務事務所の石井一明代表は、こう指摘する。

「故人の全ての戸籍謄本を、一つの役所で集めることができることはまれです。結婚や転籍などで本籍地を動かしているケースが多く、亡くなったことが書き込まれた一番新しい謄本(除籍謄本)から、戸籍が作られた編製日や改製日などを手がかりに、過去の謄本をたどっていかなければなりません。郵便でもやり取りできるとはいえ、請求してから手元に届くまで2週間くらいかかることもあります」

 不動産の登記は法的な義務や申請期限はないが、いつまでも放っておくと権利関係が明確にならずトラブルのもとになる。固定資産税の負担を、遺族間で押しつけ合うことにもなりかねない。

 電気やガス、水道などの公共料金、携帯電話やクレジットカードの名義変更や解約も早めに済ませる。契約していた会社に電話や郵送、インターネットなどを通じて届け出る。手続きそのものは比較的簡単だ。そのままにしておくと、故人の口座から基本料や年会費が、知らないうちに引き落とされる。

 自動車も名義変更や廃車手続きをしないと、自動車税が毎年故人の名義で請求される。死亡後の名義変更は遺産分割協議書が必要になるので、将来を見据えて元気なうちに家族に名義を変えておくことも考える。

主な名義変更・解約の手続き主な名義変更・解約の手続き(週刊朝日 2019年3月1日号より)
拡大画像表示