「症状がひどい時だけ飲む」はダメ
継続使用しないと効き目は落ちる

――もう一点、指摘されている「薬を適切に使えていない」とはどういうことでしょうか?

 例えば、抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬を処方されたとしましょう。患者さんによく見られるのが、「症状がひどい時だけ飲む」という行動です。特に、鼻噴霧用ステロイド薬はそういう使い方をしている人が珍しくありません。

 花粉症の治療薬は、花粉の飛散量が多い日も少ない日も関係なく、毎日、決められた回数使用することが基本。花粉症の点眼薬も同様です。1日4回点眼するとされている点眼薬を、1日2回しか使わないのは「間違った使い方」です。

 花粉はシーズン期間中、飛散量は変化するものの、毎日飛んでいます。薬を今日飲んで明日は飲まない、というやり方では、血中薬物濃度が一定せず、効き目も落ちるのです。スギ花粉に反応する人は3月末まで、ヒノキ花粉にも反応する人は5月のゴールデンウイーク明けまで継続して飲むことが、「正しい」花粉症対策の薬の使い方になります。薬の止め時は、新聞、ニュースの花粉情報で飛散量が少なくなっており、かつ、症状も落ち着いているタイミングです。

眠気が少ない薬を使っても、
効果は低くならない

――花粉症の薬を飲むと眠気に襲われ、仕事にならないという人もたくさんいます。なんとかなりませんか?

 その場合、使っている抗ヒスタミン薬はどの世代のものでしょうか?

 抗ヒスタミン薬は第一世代、第二世代とあり、第二世代はまた前期(鎮静性)と後期(非鎮静性)の2タイプに分かれます。ヒスタミンは花粉症にとっては「害」ですが、脳にとってはなくてはならないもの。ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬は、どれくらい脳のヒスタミンを抑えるかによって、眠気の程度が変わります。第一世代の抗ヒスタミン薬は脳のヒスタミンを70~80%抑えるため、眠気が強くなるのです。

 一方、第二世代後期(非鎮痛性)の抗ヒスタミン薬は20%以下に統一されています。だから眠気が少ない。20%以下の中でも、薬によっては0%に近かったり、10%程度だったり、20%に近かったりするものがあります。今使っている抗ヒスタミン薬がどの世代のものかをチェックし、第二世代後期のものであっても「それでも眠い」という場合は、医師に相談してください。第二世代後期の中でもより眠気が少ない薬を紹介してくれるでしょう。

 ただ、眠気が本当に抗ヒスタミン薬によるものかは、確認が必要です。単なる寝不足かもしれませんし、睡眠環境が悪かったり、アルコール摂取による睡眠の質の低下、または睡眠時無呼吸症候群(睡眠中に呼吸が何度か停止する病気)をはじめとする何らかの病気が関係しているかもしれないからです。