宿題、定期テスト…当たり前をやめた公立中学校から学べること写真はイメージです Photo:PIXTA

レビュー

『学校の「当たり前」をやめた。 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』書影『学校の「当たり前」をやめた。 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』 工藤勇一著 時事通信社刊 1800円+税

「何も考えずに『当たり前』ばかりをやっている学校教育が、自分の頭で考えずに、何でも人のせいにする大人をつくる」という帯の言葉に、ドキッとする方も多いのではないだろうか。

 NHK「おはよう日本」やTBSラジオ、新聞各紙で紹介され、教育界の改革者として注目を浴びているのが、本書『学校の「当たり前」をやめた。 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』の著者である千代田区立麹町中学校・工藤勇一校長だ。本書は工藤氏がこれまで取り組んできた、学校における諸制度の改革を取り上げたものである。服装や頭髪の指導は行わない。一律の宿題を出さない。中間・期末テストや固定担任制の廃止。古くから「当たり前」のものとして考えられてきたさまざまな仕組みを、次々と変えていくエピソードは痛快だ。