出版業界は当初、アマゾン・ドット・コムを歓迎していたが、のちに恐れるようになった。それと同様に、宅配アプリの人気はレストラン業界にとって脅威になるかもしれない。投資銀行カナコード・ジェニュイティによると、オンライン宅配プラットフォームはすでに米国のオンラインデリバリー市場(170億ドル規模)の半分を占めているが、2022年までには規模が3倍になると見込まれる。アプリ運営会社はレストランと顧客の両方に貢献することが目的だと主張しているが、ビジネスモデルの多くは両者の関係性を悪化させている。「提携」サービスをうたっている最大手のグラブハブは、レストランとどのように連携するか定めた合意書に署名しており、レストラン業務を最適化するソフトウエアまで提供している。提携契約はレストランにとって有益となり得る一方で、最終顧客の選択肢は限られる可能性がある。グラブハブは現在10万5000店と提携しているが、契約を結んでいないレストランからの宅配サービスも手掛けるドアダッシュにはレストランの選択肢がその3倍近くもある。
宅配アプリ、レストラン業界の友か敵か
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