南アジアが原産で、3世紀以前に中国の呉から日本に伝来したとされる生姜。

 現在分かっている中で、生姜に関する最も古い記録は、3世紀末、邪馬台国のことについて書かれた『魏志倭人伝』にあります。

「その竹には…(中略)…薑《きょう》・橘《きつ》・椒《しょう》・襄荷《じょうが》あるも、以て滋味となすを知らず。」

生姜飯
【材料】新生姜…100g/温かいごはん…1杯分/出汁…150ml/塩…少々/醤油…小さじ1/2
【作り方】 ①新生姜を千切りにし、冷水にさらして水気を切る。②出汁を温め、塩と醤油で味を調える。③温かいご飯に1を乗せ、2をかける。

 つまり、倭の国の林には薑(生姜)・橘(タチバナ)・椒(山椒)・襄荷(茗荷)があるが、これらに栄養があって美味しいということを知らない、と。

 『魏志倭人伝』には眉唾な点が多く、確かなことは言えませんが、この記述を信じるなら、漢方薬の原料として伝わった生姜を、当時は食用にしてはいなかった、ということになります。

 この後、時代は下り、生姜は「波志加美《はじかみ》」と名を変えて『古事記』に登場します。

 現在では「はじかみ」と言えば芽生姜(葉生姜、矢生姜とも)の甘酢漬けのことですが、昔は生姜も山椒も「はじかみ」と呼ばれており、先に日本にあった山椒と区別するため、生姜は呉から伝わったことから「くれのはじかみ」と呼ばれるようになりました。

新生姜おかか和え
【材料】新生姜…200g/削りがつお…1つまみ/醤油…少々
【作り方】 ①新生姜を千切りにし、冷水にさらして水気を切る。②小鉢に盛って削りがつおを乗せ、醤油を添える。

「はじかみ」が「生姜」と呼ばれるようになったのは、江戸時代になってからだと言われています。

 当時の料理書には、生姜の様々な切り方や調理法が紹介されており、薬味として活躍したほか、漬物にも加工されていました。