睡眠Photo:PIXTA

 大半の人々は、1日16時間起きていても重要な仕事を片付ける時間が足りず、ましてや知識の習得にまで手が回らない。だが新たな見方を示す神経科学者が増えている。睡眠時間は単に記憶を定着させるだけでなく、全く新しいこと、例えば外国語を学ぶのに適しているというのだ。

 なぜそんなことが起こりうるのか。臨床神経心理学者で米コロンビア大学教授のサナム・ハフィーズ博士は以下のように説明する。

睡眠学習とは

 ハフィーズ博士によると、科学者らが数十年に及ぶ研究で達した結論はこうなる。人は一日中、脳に刺激を浴び続けるが、脳は睡眠中にそうした情報をすべてフィルターにかける。「コンピューターがシャッフルするように、ごみ、ごみ、ごみ、重要、ごみなどと選別する」と同氏は言う。「邪魔ものを排除した後、脳は情報を記号化し、その記憶や情報がどれほど重要かを決定する」

 1965年に発表された脳波(EEG)を使った研究では、睡眠学習が実際に起きることが明らかになった。それ以降に行われた研究から、特定の睡眠サイクル(夢を見ていない時)において主に記憶や学習をつかさどる脳の部分である「海馬」が活性化することがわかった。