――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」今の米国債市場は昨秋とは全く異なる場所になっている。米10年物国債利回りは11月の大半の時期には3%を上回っていた。だが現在、経済にやや軟化の兆しが見られ、連邦準備制度理事会(FRB)がハト派姿勢に転じる中で、この利回りは2.4%前後に低下。3年物利回りの2.45%を下回っている。これは不気味な展開だ。こうしたイールドカーブの逆転(長短金利の逆転)は過去には景気後退(リセッション)の前触れとなってきた。10年物利回りが落ち込んだ理由の一つは、FRBがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年内は据え置き、来年は1回だけ引き上げると予想していることだ。昨秋時点では2019年に少なくとも3回利上げし、2020年には追加利上げをすると予想していた。10年物国債の利回りは投資家による今後10年間の短期金利見通しをおおむね反映しており、FRBが今後2年間により低い政策金利を見込んでいることは10年物利回りへの下押し圧力となる。
米国債の逆イールド、背景に何が
FRBの金利予想引き下げと投資家の警戒感による相乗効果
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