時代遅れな「営業の世界」であなたはどうすべきかPhoto:PIXTA

「働き方改革」や「ワークライフバランス」が盛んに叫ばれているが、営業の仕事は時代遅れな面が多々あり、改善するのは難しい。営業職はこれからどんな仕事のスタイルを身に付けたらいいのだろう。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

単に働く時間を
制限しても意味がない

 少し前から「働き方改革」や「ワークライフバランス」と盛んに叫ばれるようになった。そのムーブメントはさらに加速しつつある。

 人気ドラマシリーズの「家売るオンナ」でもその問題が随所に取り上げられていた。定時になると音楽が流れ、強制的に仕事をやめて帰っていく。働き手が仕事と私生活のバランスを取り、快適な環境で気持ちよく働いてもらうのは大切なことである。

 それは間違いない。

 無駄な残業時間を減らすこと自体はいい。ただ、問題なのは、単に働く時間を制限しても意味がないということだ。

「仕事は増えるが、残業するなよ」では、現場は混乱するだけなのだ。

 定時に強制的にパソコンがシャットダウンした後は仕事を家に持ち帰り、やるしかない。こういう行動パターンの方をたくさん知っている。

 特に営業職の場合、働き方改革で「ノルマが軽くなる」なんてこともない。会社がノー残業デーと決めたとしても「ノルマを達成せずに定時に帰る」ということは難しい。

《あぁ、今月もダメかぁ》と思いながら早く家に帰っても落ち着かない。かえってストレスがたまるものだ。

 これはダメ営業マンだけの悩みではない。