トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領といえば「高圧的」というのがトレードマークになっている。金融市場に対する姿勢も同様だ。31日の統一地方選を前にエルドアン政権はトルコリラ売りを阻止しようと試みているが、政権の動きは問題を解決してもそれ以上に大きな問題を引き起こす可能性がある。外国通貨を担保にトルコ国外でリラを借り入れるコストは27日、大幅に上昇した。投資家によると、22日にリラが突如として7%急落したことを受け、トルコ政府が国内銀行に対し、外国投資家へのリラの貸し出しを禁じたことが背景にある。これまでのところ、政権関係者は銀行に対応を強いたことを否定している。こうした動きは投機筋の空売りを阻止する手法だが、リラを必要とする外国投資家はスポット市場での調達を余儀なくされるため、リラ相場が押し上げられる。目下のところうまく行っているようで、リラはここ3日で急落前の水準に回復した。