うつ病の患者はそうでない人と比べると、母音をはっきり発音せず、笑顔も弱い。自殺願望のある人では、緊張した声で話す人より息が漏れるような声で話す人のほうが再び自殺を図る可能性が高い。ある種類の統合失調症など精神疾患のある患者は目をそらすとき眉をつり上げることが多い。これらは顔分析や音響分析を使って立証された「行動バイオマーカー」の一部だ。研究者はテクノロジーを利用し、顔の筋肉のわずかな動きや声のトーンや言葉の微妙な変化など、人間が気づきにくい変化を測定する。カーネギーメロン大学のコンピューター科学准教授、ルイ=フィリップ・モレンシー氏は人工知能(AI)なら「人の顔の表情や行動を感知することが可能で、医師が患者の心の健康をより客観的に評価するのに役立つ」と話す。
スマホでうつ状態を検知できるか
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