今回の「いくの子ども食堂」活動は、生野子育ち社会化研究会が主催し、アデランテ(株)、NPO法人出発(たびだち)のなかまの会、特定NPO法人フェリスモンテ、そしてCPAOの共催。協力は、生野社会福祉協議会、生野区子ども・子育てプラザとなっている。各団体が強みを持つ分野は、高齢者・障害者・子ども等と多様だ。

「連携」と口にすることは容易だが、実行することは極めて困難だ。でも、これらの団体なら、誰もが諦めてしまいそうな場面でも、何とかできるかもしれない。

8年目を迎える「子ども食堂」
直面する3つの課題

 2012年、東京都目黒区で緩やかに始まった「子ども食堂」活動は、その後、一大ムーブメントとなり、政府公認の存在となり、現在では地域に「あるべきもの」とされている。「子ども」と「食堂」という幅広い意味を持つ2つの単語を組み合わせてつくられた「子ども食堂」の意味は、さらに幅広く、「ゆるふわ」とも言える。

 だからこそ、短期間で広がったのだろう。しかし近年、今後を危うくするリスクも孕んだ課題が、次々に浮上してきたように筆者には思える。「ゆるふわ」のままでは済まない部分があることは間違いない。

 筆者から見た大きな課題は、「既成事実の拡大」「公正性・透明性」「第三者評価」の3点だ。

日本の2000ヵ所以上の「子ども食堂」という“既成事実”は、「子ども食堂」を規定しなかったからこその成果だろう。「月に1回だけ開催し、問題を起こす子どもは出入り禁止にする」という形でも、「ほぼ毎日開催し、どのような子どもも歓迎」という形でも、「子ども食堂」だ。

 運営者が十分に支えられていない状況が継続していること、言い換えれば「支援者の支援」が追いついていないことの原因は、筆者の考えでは、既成事実が「ゆるふわ」のまま拡大してきたことにある。都市部では、地域で新規に「子ども食堂」を立ち上げようとしても既存のグループが歓迎しないという話を、相当の頻度で耳にするようになった。