そう考える理由は2つあります。

1.下位20%を辞めさせてしまうと、残り80%の社員のモチベーションが低下するから
 ……「下位に落ちたら、リストラされるかもしれない」という不安を抱えていては、会社のために身を粉にして頑張ろうとは思いません。

2.下位20%は、他の社員に気づきを与えてくれる存在だから
 ……下位20%の社員は、それ以外の社員に、
「誰でも、病気、家庭の事情、加齢その他の理由で下に落ちる可能性がある」
「下位に落ちても、会社は雇用を守ってくれる」
「下位に属する社員であっても、何らかの貢献をしている」
 ことを気づかせる貴重な存在です。

 下位にいる社員の雇用を維持することで、「たとえ下位に落ちたとしても、会社は雇用を守ってくれる。
 だから自分たちも、会社に貢献しよう」というロイヤリティが醸成されていくのです。
 そもそも「ダメな社員」といわれる下流の2割の社員を生み出した責任は、会社(経営者)にあるのではないでしょうか。

 それでも雇用すると覚悟すれば、社員教育、個別指導、面談に力を入れてケアします。その代わり、手当、評価制度、賃金、年収で差をつけます。
 優秀な社員もそうでない社員も全部まとめて大切にするのが、合理的な経営のあり方です。

「25の修羅場」の詳細は、第1回連載「倒産寸前から売上3倍、自己資本比率10倍、純資産28倍!「25の修羅場」が「25年連続黒字」をつくった理由」をご覧ください。
 きっと、私が血反吐を吐きながら、泥水を飲みながらのここまでのプロセスの一端を垣間見れるかと思います。