• かつて見られなかった状態の債券市場• かつて見られなかった状態の債券市場債券市場について投資家が混乱しているとしても無理はない。米国債利回りは低下してきており、これは一般的に景気悪化の兆候とされている。一方、ハイリスクな企業の社債価格は急上昇しているが、これは通常経済見通しが明るいときに起こる現象だ。1973年にカンバーランド・アドバイザーズを共同創業し、現在最高投資責任者(CIO)を務めるデービッド・コトク氏は、50年近くの投資キャリアにおいて現在ほど矛盾に満ちた市場を見た覚えがないと述べる。同氏はその理由として、米中の貿易摩擦、中央銀行の国債買い入れプログラムをめぐる計画変更、利上げを一時停止するという米連邦準備制度理事会(FRB)の決定、企業信用力の継続的な悪化、および金融市場からの相反するシグナルを挙げる。