ノキアは、モトローラの通信インフラ部門やアルカテル・ルーセントなど、米国系企業の買収で巨大化してきた。一方のエリクソンは、経営破綻したノーテルネットワークスの無線インフラ部門を買収した歴史がある。
かつて80年代の日米通商摩擦で、米国政府の対日圧力によって日本の通信機器市場を切り開いたのが「政商」と呼ばれたモトローラとノーテルだった。また仏アルカテルと合併する前の米ルーセントは米通信大手のAT&Tの流れをくむ。米国名門のベル研究所を傘下に持ち、米政府を突き動かすための人脈は豊富とされる。
米国の通信企業の血筋を引いて世界の通信機器メーカーのトップを走ってきた北欧2社に対抗する勢力がファーウェイだ。それに中国ZTEと韓国サムスン電子が、5Gの通信設備をめぐって激しく追い上げる。