アイドルグループのライブ動画で、お気に入りのアイドルだけをアップで追うことができる。野球中継も、いつでも好きな視点へと切り替えられる。
MWCでは、各社がスマホ動画の新しい楽しみ方をアピールする姿も目立った。というのも、スマホの画面サイズでは、画質がHDから4Kへと向上するだけでは驚きが小さい。そこで、5Gの大容量をフルに使いこなすべく、各社は知恵を絞っているのだ。
「動画は5Gのキラーコンテンツの一つになる」とKDDIの髙橋誠社長が語るように、消費者が5Gの世界を体感するきっかけになりそうなのは動画だ。そしてそのとき、「見たいものがある」ことは企業にとって強力な武器になる。
そこで今、激化しているのがコンテンツの獲得合戦である。
KDDIは髙橋社長が自ら動いて米動画配信大手ネットフリックスと提携し、見放題になる料金プランを18年8月から始めた。
NTTドコモもスポーツ映像配信サービスのDAZNに加えて、今年3月からは「ディズニー」ブランドの動画が月額700円で見放題になるサービスを開始する。
海外では巨費を投じて独自コンテンツを充実させ、有料会員を囲い込む動きが活発化している。
ネットフリックスが18年にコンテンツ獲得のために投じた金額は約130億ドル。また、米アマゾンも同年に50億ドル規模の投資をしたとみられている。
美麗な映像や面白いコンテンツを配信する主役は、もはやテレビ局だけではないのである。