石油輸出国機構(OPEC)は、昨年12月にウィーンで総会を開いた際、崩壊の危機に直面していた。当時、原油相場は急落していた。イラン、ベネズエラ、リビアなどの加盟国は減産を拒否。カタールはOPEC脱退を表明した。ドナルド・トランプ米大統領は、原油相場を低く維持するようサウジアラビアに圧力をかけていた。交渉が決裂しそうになった時、意外なところから救いの手が差し伸べられた。OPEC加盟国ですらないロシアからだった。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、イランの生産が制限されないことを条件にOPECとの協調減産に同意した。この重要な会議を支配していた著しく険悪な雰囲気や、危機解消に向けロシアが果たした死活的に大きな役割は、これまで報じられていなかった。12月総会は、舞台裏ではOPECに全く非協力的だったロシアが、不可欠なパートナーへと変貌を遂げる転換点だったのだ。