ピンタレストとズーム・ビデオ・コミュニケーションズにとって、株式市場への船出は大胆というよりも必要な動きだった。IT部門のユニコーン(評価額が10億ドル超の新興企業)の両社はこのほど新規株式公開(IPO)に踏み切った。ピンタレスト株のIPO価格は仮条件を上回る金額に設定され、上場初日の18日には28%上昇した。ズーム株も仮条件を上回る金額に設定され、72%上昇した。ズームの終値で計算した時価総額は、直近の評価額の14倍を上回った。だが両社は向こう数週間、配車サービス大手リフト上場の不評を見てきた投資家たちの厳しい視線にさらされる。リフトは競合するウーバー・テクノロジーズに先んじるため準備を加速し、3月にIPOを実施した。だがリフト株は上場初日こそ上昇したものの、その後は下落している。現在はIPO価格を19%割り込み、上場初値より33%低い水準にある。このことは、特にピンタレストにとって悪い兆しと考えられる。同社はまだ黒字化を実現していないうえ、これまでの成長予想が過度に野心的なためだ。リフトと同様、ピンタレストもユニコーンで最大級の企業だった。また、やはり現金燃焼が続いている。