Practice: 起業家精神を身に付ける訓練法

「アントレプレナーシップはプラクティスで身に付けられる」

 これは、アントレプレナーシップの研究で全米ナンバーワンと評判のバブソン大学の教育方針です。プラクティスとは、訓練、実践、練習といった意味を持ちます。彼らは、起業家精神は天賦の才ではなく、規律のある訓練によって養われるという方針で教育を行っています。

 実際、起業家の若い頃の話を聞くと、物心が付いた時から簡単な商売をしていた方が数多くいることに気付きます。自分で作ったテスト対策の教材を売る、Webサイトを作って広告費を稼ぐなど、幼い頃からアントレプレナーシップの訓練を重ねているのです。Microsoft創業者のビル・ゲイツも、高校時代に道路の交通量を計測するシステムを開発・販売して「起業の疑似体験」をしています。

 ケース・ウェスタン・リザーブ大学の名誉教授であるデービット・コルブが提唱した「経験学習モデル」によると、人は以下の4つのサイクルを回しながら学びを深めていくとされています。

・具体的経験
・内省的観察
・抽象的概念化
・能動的実験

 特に経験の浅い新卒社員に対する研究では、この中でも特に「具体的経験」を積むことが能力向上に有意な影響を与えるという結果が出ています。おそらく起業に関する能力も同じで、最初は具体的な経験が能力を最も伸ばすと考えられます。ただもし起業に踏み切れないのであれば、1人で何かしらのプロジェクトを立ち上げてみて、起業に近い具体的な経験をしてみるといいでしょう。

 その際、私の経験則的にはおおよそ「3回」実施すると、自分のやりたいことが見定められて、プロジェクトを進めるコツも分かってくるようです。実はマーク・ザッカーバーグも、Facebookを創業する前に3~4つのプロダクト開発プロジェクトを経験していたと言われています。