トランプ米政権は2日、イラン産原油の輸入国に対する制裁適用除外ルールを撤廃し、各国に全面禁輸を求める措置を開始した。産油国サウジアラビアは、必要なら生産を拡大する意向を表明しているが、価格安定に向けた供給拡大の規模を巡り、水面下ではサウジと米国が向こう数週間にわたり激しい攻防を繰り広げそうだ。関係筋によると、米国はサウジとクウェートが共同所有する油田の生産再開を求めている。再開されれば、供給量を日量50万バレル押し上げる可能性がある。一方、財政均衡には原油の値上がりが必要なサウジは、増産不要で米国を説得する材料として、原油供給量の過不足を示す指標の算出方法を変更するよう、他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国に働きかけている。