そして今後、一気に再開発が進むとみられる池袋駅周辺エリアについても最新版開発マップを作成し、各デベロッパーの戦略と絡めて具体的に分析していく。

 新築ビルが計画されれば、テナントの募集が始まり、企業も移転に乗り出す。その詳細を仲介業者やデベロッパーの協力を得て一覧表にした。移転の増加に伴い、オフィス家具の需要も高まっている。そこで大手4社の業績と戦略を基に、過去から現在に至るオフィス家具のトレンドを整理した。一方、大開発の裏で、築年数が古いビルなどからテナントが出ていく二次空室のリスクが高まる。

 実は、オフィスビルには新規供給がある一方で、再開発などで取り壊されたり、ホテルやマンションに転用されたりする「滅失面積」というものがある。三井住友トラスト基礎研究所の推計では、05年以降は新規供給面積の約半分に相当する滅失面積があったという。

 また、ザイマックス不動産総合研究所の調査によれば、東京23区の延べ床面積300坪(約990平方メートル)以上のビルにおいて、平均築年数は30.9年、そのうち300坪以上5000坪未満の中小規模ビルで31.6年と高齢化。81年以前に建てられた旧耐震基準の物件も、中小規模で155万坪、大規模で122万坪が残る。

 21、22年は供給量が減るとはいえ、23年以降は再び八重洲や虎ノ門などのエリアで大開発が控える。果たして再開発で取り残されたオフィスビルは、今後の生存競争を生き抜くことができるのか。