申告の対象となる期間は、その年の1月1日から死亡日までだが、亡くなったのが年明けすぐなどで、前年の確定申告をしていなかった場合は、前年分の申告もすることになる。

 申告しなければならないのは、自営業者や不動産収入のある人、給与収入が2000万円を超えている人、公的年金等の収入が400万円を超えている人などだが、一般のサラリーマンや年金生活者でも、入院や手術をして自己負担した医療費が10万円(総所得金額200万円未満の人は、総所得金額の5%)を超えた場合は、医療費控除の申告をすると還付金をもらえる可能性がある。

 申告期限は、相続の開始があったことを知った日(死亡日)から4ヵ月以内。こちらも早めに申告しておこう。

必要な手続きをリストアップして
期限の早いものから申告していく

 亡くなった人が、民間の医療保険や生命保険に加入していた場合は、保険金や給付金の請求も忘れずに。死亡保険金や死亡給付金のほか、亡くなる前に入院や手術をした場合は、入院給付金や手術給付金も請求できる可能性がある。

 民間の保険は、原則的に保険事故のあった翌日から3年たつと、保険会社への支払い請求権が消滅してしまう。ただし、時効後も個別に対応してくれる保険会社もあるので、請求を忘れていた場合も諦めずに問い合わせてみるといい。

 亡くなったあとに必要な手続きは、医療関係のものに絞っても、死亡診断書、健康保険の資格喪失、葬祭費・埋葬料の請求、家族の健康保険の見直し、高額療養費の請求、医療費控除の申告、民間保険の請求と、けっこうな数になる。

 とはいえ、身近な人の死はそう何度も経験することではない。はじめての経験に戸惑うことも多いはずだ。しかも、行政関係の手続は、基本的に申請主義で国が自動的に処理してくれるものではない。

 膨大な手続きを前に呆然とするかもしれないが、それでもやらねば前には進めない。身近な人が亡くなったら、まずはやるべきことをリストアップし、申告期限の早いものから、ひとつひとつ手続きしていこう。

(フリーライター 早川幸子)