昨夜(2月17日)、中川昭一財務・金融大臣が辞任した。
G7での酔っ払い記者会見から始まった一連の騒動の中、筆者はさまざまなメディアから意見を求められ、次の3つの疑問点を提示し続けた。
1. 随行スタッフの危機管理意識の欠如
2. 同行記者団の職業意識の欠如
3. 中川大臣の辞任理由
ここで改めて整理してみよう。
まずは随行スタッフ、つまり財務官僚と中川秘書の判断ミスについてだ。
百年に一度といわれる未曾有の金融危機を受けての今回のローマでのG7は、その重要性もさることながら、世界からの注目度も群を抜くものであった。
その記者会見で、日本政府を代表して参加した財務大臣が、前代未聞の「醜態」を演じることになったのだ。その後の各国の報道やユーチューブの画像をみれば、それが、日本の国益と信頼を著しく毀損するものになったことは疑いようがない。
ここでは、会見前に飲酒をしたかどうかはたいした問題ではない。
筆者も、議員秘書として、いくつかの国際会議に参加した経験があるが、レセプション、式典、晩餐会などで、酒はむしろ、儀礼上の必須品として当たり前のように振舞われる。
問題なのは、常に大臣に帯同し、その振る舞い、習慣、性格を熟知しているはずの側近らが、記者会見への対応が困難な状態にあることを見抜けなかったことだ。
なぜ、会見への出席を見合わせさせなかったのか。随行団は、一体なんのために随行したのか。今回のイタリア訪問は、大臣単独ではない。白川日銀総裁もいる。あるいは財務省から別の代理を立ててもいい。
政治は結果がすべてである。外交の舞台では、極端な話、嘘をついてでも国益を守ることが必要なこともある。そして、今回は、まさにそれが必要だった。
その判断ができなかった結果、大臣随行団は、国の代表を世界中のさらし者にしたのだ。