日経平均株価が続落
企業が設備投資を次々と下方修正
元号が「令和」に変わりました。新しい時代がやってくるという期待と興奮が残っており、東京オリンピックのチケットの抽選が始まったこともあって、軽い陶酔感が漂っているのが今の日本です。
その祝賀ムードから取り残されているのが株式市場です。10連休となったGWの休みを挟んで、日経平均株価は7日間の続落を記録しました。不調の理由は2つあります。
1つは、合意目前まで漕ぎ着けた米中間の貿易協議が、ほとんど振り出しに戻り、交渉が行き詰まっていることです。制裁関税の猶予が外れ、そればかりか第4弾の制裁品目が決まりました。トランプ大統領のツイッター爆弾が再び炸裂したかのような印象ですが、急ピッチの改革を拒む中国・共産党の内部対立が大きく影響しているとの見方もあります。
もう1つは、日本の景気が急速に悪化していることです。3月の景気動向指数の低下を受けて、内閣府は景気の基調判断を6年ぶりに「悪化」に引き下げました。
なかでも注目すべきは、企業経営者が先行きの視界不良を理由に、設備投資計画を次々と下方修正していることです。米中間の貿易問題によって再び立ち込めてきた暗雲が少しでも晴れない限り、設備投資を中心に景気の混迷が避けられない可能性があります。
一方で、企業経営者の間では「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が注目を集めています。
デジタルトランスフォーメーションとは、企業がテクノロジーを利用し、これまでの事業戦略やビジネス領域を根本から変えてゆくことです。クラウド、ビッグデータ、AI、画像認識など、コストが大幅に低下した最先端のデジタル技術を活用すれば、企業がビジネスや業務を大きく変革することが可能になります。