首相は消費増税の「3回目の先送り」はしない”約束”をしているPhoto:PIXTA

1~3月期GDPは「出来過ぎ」
輸入減の「引き算型」で伸びた

 消費増税の可否を見極める上で、景気動向も無視できない。

 今週、内閣府が発表した1~3月期の実質GDP(1次速報)は前期比+0.5%(同年率+2.1%)と、高めの伸びを見せた。

 筆者を含む市場参加者の中にはマイナスを見込む向きもあったが、予想外に大きめのプラスになった。

 消費増税の先送りを正当化するには、皮肉にも「出来過ぎた」結果となった。

 しかし、需要項目を掘り下げると、強気にはなれない。1~3月期GDPを押し上げた要因が輸入の大幅減少だからだ(図表1)。

 輸入はGDPの控除項目だから、他の条件を一定として、輸入の減少はGDPの増加につながる。控除項目(輸入)こそがGDPを押し上げたという意味で、1~3月期のGDPの伸びは「引き算型」といえる。