米中貿易摩擦の悪化を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の「忍耐」が試練にさらされている。FRB当局者は、貿易摩擦によって米国の経済成長に対するリスクが高まっているとみており、現在の様子見姿勢を維持できるか、状況が複雑になっている。債券投資家は景気が弱含んでいることから、FRBが利下げに踏み切るとの見方を強めている。TSロンバードのチーフ米国担当エコノミスト、スティーブン・ブリッツ氏は、中国との対立が早期に解決されなければ、「今後数カ月以内に、安易に緩和に踏み切らないために必要な忍耐が厳しく試されることになる」と述べる。FRB当局者は今年に入り、経済に対する脅威を和らげるための金融緩和に前向きな姿勢を示している。1月には、株式・クレジット市場の急落を受け、年内の利上げを棚上げする考えを示唆した。
FRBの「忍耐」に試練、トランプ関税で視界不良
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