米中貿易摩擦を背景にレアアース(希土類)の価格が急騰している。レアアース市場は目立たないが、電気自動車(EV)から燃料製造に至るまでさまざまな業界にとって極めて重要だ。中国メディアは29日、同国がレアアースの輸出を制限する可能性があると報じた。レアアースは大半が中国で生産され、レーザーや電池、電子端末などの用途がある。報道を受けて世界の株式や商品(コモディティー)相場が下落し、貿易を巡る緊張の高まりを浮き彫りにした。一方、レアアースが不足する可能性が意識され、中国の生産業者の株価は上昇した。ヴァンエック・ベクトル・レア・アース/ストラテジック・メタルズETF(上場投資信託)は先週から上昇していたが、今週に入りさらに1%高と上値を伸ばした。習近平国家主席が先週、レアアース採掘場を視察し、中国が貿易交渉でレアアースを切り札にするかもしれないとの観測が広がったためだ。
レアアース急騰、中国の対米「切り札」利用を警戒
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