ランキングのカラクリ『ランキングのカラクリ』 谷岡一郎 著 自由国民社 1400円(税別)

 ネットや雑誌には、このような「○○するほど、××が増える」といった類いの統計データや、意外性のある興味深い「ランキング」が、ごろごろ転がっている。それらの真偽をどう判断すればいいのだろうか。

 本書『ランキングのカラクリ』は、身近な「大学ランキング」「住みたい街ランキング」などを例に挙げながら、ランキング形式で紹介される統計データの正しい読み解き方を教えてくれる。

 著者の谷岡一郎氏は大阪商業大学公共学部公共学科教授で、同大学の学長を務めている。専門は社会調査論、犯罪学、ギャンブル社会学。『「社会調査」のウソ』(文春新書)、『データはウソをつく』(ちくまプリマー新書)、『確率・統計であばくギャンブルのからくり』(講談社ブルーバックス)などの著書のほか、海外でも多数の論文を発表している。

 谷岡氏によれば、ランキングは千差万別で玉石混交。いいかげんなものも少なくない。それらに惑わされないためにも、正しいランキングがどのように作られているかを知るべき、と強調する。

カラオケボックスの室数は
「豊かさ」の指標になりうるか

 谷岡氏がランキングを見極める上で重要としているものの1つに、「指標」の妥当性がある。

 かつてあった経済企画庁(現・内閣府)は、特定都道府県や市の「豊かさ」を数値化し、年に1回ランキングを発表していた。正しくは『新国民生活指標』といった。

 数値化に用いられた指標には、「1人あたり家計所得」「1人あたり公園面積」「医師数」「カラオケボックス室数」など140項目以上あった。それぞれを人口比で計算して点数化し、その合計を比べることでランキングができあがる。

 しかし谷岡氏は、このうちいくつかの指標が本当に「豊かさ」を表すものとして妥当か、疑問を呈している。