投資家はこの好景気について心配することは止め、好きになることを学ぶ時期かもしれない。避けることのできない不況は、一般に考えられているよりもかなり先となる可能性がある。だが、やって来れば一段の痛みを伴うだろう。世界的な金融危機後に始まった米経済の拡大は10年に及び、7月には米史上で過去最長となる。10年の節目超えにより、アナリストや政策担当者の多くは、この景気拡大局面の終わりが近いと考えている。しかしながら、米経済がリセッション(景気後退)に陥る差し迫った脅威はほとんど見られない。5月の米雇用統計が弱含んだのは確かだ。非農業部門の就業者数は7万5000人増にとどまり、市場予想を大きく下回った。ドナルド・トランプ米大統領が中国との全面的な貿易戦争をちらつかせたことで、株式市場ではボラティリティーが高まった(S&P500種指数は4月末から6月3日までに7%近く下落)。 しかしながら同時に、経済が従来の景気循環にこれまでほど縛られなくなっている本格的な兆しが出ている。代わりに、負債が主役に浮上した可能性がある。これは最終的には厄介な問題をもたらす。だが、何年も先になるだろう。
押し目買いまだOK、景気循環の変質に要注意
破滅的な金融危機の再来がない訳ではない
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