――筆者のジェラルド・ゲイユーはWSJ論説室のアシスタントライター ***  欧米の外交筋は中国の「一帯一路」計画について、疑わしいプロジェクトを餌に途上国を略奪的条件の融資に誘い込む「債務のわな」だと考えている。だがこうした実例は中国政府の過ちだと理解する方が適切だ。そうした策略は中国経済のほか、世界に影響を及ぼそうとする同国の取り組みを台無しにするだろう。  「債務のわな外交」が気にかかるのは当然だ。パキスタン、モルディブ、タジキスタンには、中国からの融資で膨らむ財政赤字以外にほとんど共通点がない。