若者たちが、新社会人としてのスタートを切って、約3ヵ月が経過した。新しい環境に少しずつ慣れるなか、給与明細を見て「税金とかいろいろ引かれて、手取りが少ない」と戸惑った人もいるのではないか。しかし、給与から引かれるお金についての理解を深めることで、生命保険関連の出費を大幅に抑えることができるという。保険コンサルタントの後田亨氏に、新社会人が知っておくべき保険の真実を聞いた。(清談社 島野美穂)

皆が入っている
「健康保険」はすごい!

新社会人が焦って民間の保険加入を検討する必要は全くありません。
親や営業マンに民間の保険加入を急かされても、ちょっと待って。まずは誰もが加入している公的な保障制度をよく理解してみよう Photo:PIXTA

 新社会人に、給与明細をあらためて確認してほしい理由を、後田氏はこう話す。

「新社会人のほとんどは、『民間の保険に入っていない状態=無保険状態』と思っているかもしれません。親や先輩も同じように認識していることが少なくないので、仕方がないと感じます。ただ、『健康保険』の保険料が給与から引かれているはずです。その保障内容はかなり強力です」

 健康保険には『高額療養費制度』があり、1ヵ月の医療費の自己負担額には上限が設定されている。年収約370万円以下の人であれば、5万7600円。仮に、手術を伴う入院で50万円くらいの費用が発生しても、6万円未満の負担で済むというわけだ。

 さらに、健康保険の対象になっている医療を受ける限り、病名は問われない。

「保険会社の商品開発に関わっている人のなかには、『がん保険や三大疾病特約など、病名を指定する商品が存在する理由がわからない』と言う人もいるのです。月額600万円の大きなお金がかかる場合であれば、民間の保険に頼るメリットもあるかもしれません。ただし、高額療養費制度を使って、6万円未満の負担で済むのであれば、自分で払うほうが賢いだろうという話です。保険会社からお金を受け取るには、毎月保険料を払い、保険会社の人件費・広告宣伝費・代理店手数料などまで負担することになりますからね」