次世代通信規格「5G」による高速通信ネットワークの構築が進められる中、米国の最も貴重な周波数帯への米通信事業者のアクセスが限定的なことにより、計画が遅れかねない状況となっている。問題になっているのは、長距離伝送が可能で、建物などを通り抜けられる「ミッドバンド」と呼ばれる中間周波数帯だ。5G高速通信には理想的と考えられている。「ミッドバンドは無線事業者にとって最も価値があるという意味ではスイートスポットだ」。投資銀行BTIGのアナリスト、ウォルト・ピエシク氏はこう話す。理由の1つは、通信会社が近隣地域に何十万もの新しいアンテナを一斉に立てる必要がなく、既存の携帯基地局を利用して配備できるからだという。米当局はミッドバンドを通信会社が使えるようにするのに手間取っているが、同氏の話では「多くの国々がこの周波数帯をすでに入札にかけている」