自宅マンションを「貸す」前提で購入しないと、老後に大損する理由転勤や勤務先の移転など、一般世帯にはいつ何が起こるかわからない。住みづらくなった自宅は、「貸す」ことを考えてもいい(写真はイメージです) Photo:PIXTA

10年以内に何かが起こる
自宅を「売る」か、「貸す」か

 一般世帯には、いつ何が起こるかわからない。転勤、勤務先の移転、離婚、親の介護……そんなことは、いくらでもある話だ。

 新築マンションの居住者も、10年で多くの世帯が引っ越しを余儀なくされる。スタイルアクトの調査によると、都区部で37%、それ以外で22%の物件において、10年で入居者が変わっている。ここで、都心と郊外の割合の違いは、住み替えのしやすさに左右される。資産価値の落ち方が大きい郊外では、住み替えたくてもできないケースが多くなるからだ。

 そんな物件をどうするかの選択肢は2つしかない。売るか、貸すかだ。売るなら、中古時価がローン残元本を上回れば売却することができる。貸すなら、賃料がローン返済額を上回れば、持ち出しなしに貸すことができる。

 ローンの借り方の基本として、期間を長くすることが重要だ。現在の金利なら、1割の頭金だと1年で元本の返済が2.5%に及ぶほど、返済スピードは早い。住宅ローン控除をフルに受けるためにも、早く返すことは意味がない。その前提で考えるべきことは、「賃料>ローン返済額」とすることだ。

 金融機関は借主が自分で住むことを前提に、住宅ローンを貸してくれている。自宅だから、借主は年収でローン返済を賄ってくれる考えている。これを人に貸すとなると、投資用不動産という名目になるため、リスクが高まるぶん、金利は高くなる。