子どもの自立を後押しするという意味では、「親は親、子は子」のスタンスが望ましい。親が一生子どもを守り続けることは難しい。子どもの人生を決められるのは、その子自身なのだから。

◆子どもにとっての「安全基地」
◇外側のモノサシに頼らず「その子自身」を見る

 先述したように、子どもの自己肯定感を高めるには、安全基地が必要だ。安全基地をつくるうえで大事なのは、「その子自身を見る」という親の姿勢である。

 その子の個性や特徴を把握する際、世の中の基準による安易な価値判断をしないようにしたい。子どもの好きなことや得意なことを見守るべきだ。

 また、「自分がここにいていい」という感覚は、「いてくれてありがとう」というメッセージを繰り返し受けとるなかで得られる、身体的感覚である。たとえば、子どもが生まれた日や、小さかった頃の話などを通じて、親子としてのスタート地点を子どもに語るとよいだろう。これにより、子どもは親から愛されている感覚を得られる。

 小学生になると、親子で過ごす時間は減り、親から叱られることが増える。そのため、子どもは自分が愛されているか不安を覚えやすい。こうした時期こそ、過去のエピソードを話すことで、「子どもが大事な存在である」というメッセージを伝えたいものである。

◇短所と長所は紙一重

 日本の教育には、「弱いところを改める」という短所矯正型の考えがある。しかし、そもそも、長所だけ、短所だけという子どもはいない。短所はその子の個性であり、長所の裏返しでもある。子どもの個性を長所と短所に選別するのではなく、違いがあるだけだと捉え直してみよう。すると、凹凸のあるパズルのピースのように、その個性が誰かの役に立つときがくる。

 その日のために親にできることは、子どものコミュニケーションの範囲を広げておくことだ。地域の活動や異なる文化にふれられるコミュニティなどで、子どもが多様な価値観を持った人と関われるようにサポートしたい。