あらゆるパターンの聞き手を想定し
伝えることは「持って帰れる」サイズに

 人は、「自分事」にならなければ動けない生き物です。また、同じ事実でも人によって受け取り方が違うのも人間の特徴です。なので、「その場にいる全員が、同じアプローチで当事者になる」ことは、そう多くないと思います。

 だからこそ、複数のアプローチで、その場にいる人たち全員を当事者にすることが大切です。そのために必要なのは、「とにかく多くのパターンの聞き手を想定しておく」ことです。

 自分が提供する製品やサービスのターゲットユーザー以外がプレゼンを聞くことになっても、いくつものアプローチを考えていれば説明も工夫できます。

「この話はぜひとも皆様の会社の“上司”の方にお伝えください」
「当製品のこのポイントを、ぜひ御社の“IT部門”の方にお知らせください」
「この情報をもとに、皆様の組織の“若手”の方々とディスカッションしてはいかがでしょうか」

 このような形で、話を聞いた後のアクションを明確にすることで、あらゆるプレゼンテーションに意味を持たせることができます。

 そして、終わった後にすぐアクションをしてもらうには、「持って帰れるサイズの情報量にしておく」のがカギです。シンプルなキーワード、わかりやすい数字、イメージしやすいたとえ話などがその例です。

 皆さんのプレゼンテーションが、目の前の人たちの先にいるたくさんの人々にまで届くことをイメージしながら、シナリオを作っていきましょう。そうやって想像力を膨らませながらプレゼンテーションを作るのは、楽しいものですよ。

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 2016年7月から、73回にわたって続けさせていただいたこの連載も、今回で最終回を迎えました。今までお読みいただいた読者の皆様には、心から感謝しております。また別の形で皆さんとお会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。

(プレゼンテーション・アドバイザー 澤 円)