どんな痛みだと
「狭心症」に当てはまるのか

 胸が痛い、お腹が痛い…といった場合、「胸」や「腹」とは筋肉や骨格だけでなく内臓も含んでいます。そのため「手」や「肩」などと比較すると、異常をきたす可能性がある部位が広く、その分、考えうる病気も多くなってしまいます。

 ですから「胸の痛み」の原因としては、心臓はもちろん、大動脈、肺、食道、胃、十二指腸などの内臓、その他骨、筋肉、神経なども考えなくてはなりません。

 その中で「安静時」「突然」「胸がきゅっと痛む」「息苦しい」「数分で治まった」などのキーワードが出てきた場合、医師は心臓の狭心症を最も疑います。

 先ほども説明した通り、狭心症は冠動脈の血流が低下し、血流不足を感じた心臓によって引き起こされます。胸の痛み、呼吸の苦しさのほか、放散痛といって、胸以外にもみぞおちや肩甲骨、左肩などに痛みが出るケースもあります。

 痛みの原因が、狭心症ではなく胃炎の可能性が高い場合もあります。しかし、狭心症は、心筋梗塞に発展して命に関わることもある病気です。そのため、我々医師も狭心症や心筋梗塞を疑った場合は「問題があると思ったが無かった」は良しと捉える一方、「問題が無いと思ったが、実は問題があった」は起きてはならないことと考えています。

「胸の中央の」「一定の広さのある」
「圧迫感」のある痛みは要注意!

 さて、今回のお悩みに対しては、「問題があると思ったが無かった」は良しと考える立場から、この症状ですと狭心症の可能性があるため、病院へ行って精密検査を受けることをおすすめします。

 通常、精密検査をおすすめするのは以下の場合です。

・狭心症として典型的な症状がある(後述します)
・糖尿病、高血圧、脂質異常症などの動脈硬化性疾患(※)をお持ちの場合
・喫煙習慣のある方
・50歳以上、男性
・ご家族で心臓病の方がいらっしゃる場合

(※動脈硬化性疾患とは、いわゆる生活習慣病です。動脈硬化によって心臓の血流が悪くなりやすい状態です)