世界経済の問題に関する第1のルールは「貿易戦争を仕掛ける正当な言い訳をドナルド・トランプ米大統領に与えてはならない」だろう。エマニュエル・マクロン仏大統領はこのメモを見落としたようだ。なぜなら、仏政府は、ドイツでさえ欧州での導入を望まなかった新たなデジタルサービス税を推進しようとしているからだ。仏議会が先週可決したデジタルサービス税は、国際的なハイテク企業の仏国内での売り上げに対し、3%の税を課すものだ。対象企業が利益を上げていなくても、税金を納めなくてはならない。各企業は所在国での利益に対して課税されるという80年前からの国際合意は、デジタル化の現在では時代遅れだというのが、その論理だ。つまり、ハイテク企業は法の抜け穴の活用にたけており、知的財産などの無形資産から生じる利益を売り上げの計上地とは別の場所で記帳しているというのだ。この論理に従えば、企業は売り上げ計上地で税金を払うべきだということになる。