中国の配車サービス最大手、滴滴出行は新たな資金調達を目指している。米同業ウーバー・テクノロジーズやリフトの新規株式公開(IPO)を受け、業界への投資意欲が回復したとの期待が背景にある。計画を知る複数の関係者によると、滴滴出行は最大20億ドル(約2160億円)を調達したい考え。同社は2018年7月に米オンライン旅行代理店大手ブッキング・ホールディングス(旧プライスライン・グループ)から資金を調達したが、当時と同じ価格で株式を追加発行する。18年の評価額は不明。関係者の1人によると、今回の資金調達を実施後は、評価額が約620億ドルに達する可能性が高い。17年の資金調達の際に関係者が明らかにしたところでは、同社の評価額は560億ドルだった。新たな資金調達後の評価額は、未上場ハイテク企業としては中国の電子商取引大手アリババグループ傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)や、動画共有アプリを運営するバイトダンス(字節跳動)に次ぐ世界3位となる見通し。ウーバーは今年のIPO資料で、滴滴出行の評価額が昨年12月末時点で516億ドルだったと示唆した。ウーバーは滴滴出行に15.4%出資している。