ビジネスパーソンは、とにかく忙しい!少々カラダに不調があっても、なかなか病院に行けない、誰に相談したらいいかわからない、料金もいくらかかるのか…そう思っている人も多いはず。この連載は、所属している医師がすべてイケメンの「イケメンドクターズ」(NHKの『ごごナマ』でレギュラー出演も!)の先生方が、みなさまのお悩みに答えます。第7回は、これからの季節に気になる「日焼け」と「日焼け止めの正しい使い方」について皮膚科医が解説します。
紫外線が気になります。日焼け止めクリームを塗った方がいいと聞きますが、SPFの数値が高い日焼け止めに、日焼け防止のファンデーションを重ねると肌に負担がかかりそうで心配です。正しい日焼け止めの使い方を教えてください。また、最近は『飲む日焼け止め』という商品がありますが、これを使えば日焼け止めクリームは不要なのですか? (女性・30代)
曇りの日こそ、紫外線に
気をつけなければいけない
東京ではこのところ涼しい日が続いていますが、梅雨が開けるといよいよ夏本番。皮膚科、美容皮膚科では、日焼けで水ぶくれができたり、皮膚が炎症を起こして真っ赤になったり…という症状で来院される患者さんが増える時季です。
日焼けの原因となる紫外線は、5月から急激に増加し、7月にピークを迎える地域が多くなっています。
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天気の良い暑い日には日焼け対策をしっかりする方は多いと思いますが、実は曇っている涼しい日こそ、油断は禁物です。海やプールで日焼けしてしまうのは当たり前として、曇りの日でも外回りでずっと屋外にいたり、休日に日陰や木陰でのバーベキューをしたりと、直接ジリジリと日光に当たらなくとも、外にいる時間が長くなれば、日焼けをしてしまうからです。
紫外線を浴びても
人間の感覚では何も感じない
ご存じのとおり、日焼けを引き起こす太陽光線は「紫外線」です。紫外線には、「ウルトラヴァイオレットA=UVA」と「ウルトラヴァイオレットB=UVB」の2つがあります。一度は聞いたことのある単語ではないでしょうか。紫外線は目に見えませんし、身体が温まる感覚も生みません。つまり、紫外線とは人間の感覚では何も感じない太陽光線の成分です。
実は、まぶしいと感じる光は可視光線(可視=視ることが可能)という太陽光線の成分の一部。そして、温かさを感じるのは太陽光線のうちの「赤外線」という成分です。
つまり、「陽射しがまぶしいし暑いから、今日は紫外線が強いぞ!」とか、「今日は曇りで涼しいから紫外線は弱いだろう」というのは、大きな誤りなのです。曇りでまぶしさや暑さを感じなくても、紫外線は晴天時の80%届いているといわれます。ですから、曇りのときこそ油断大敵なのです。