米国が抱える複雑な問題の中でも、人種差別は今なお未解決の大きな要因だ。われわれは最近、それを改めて思い知らされた。過去243年にわたり米国民を苦しめ、何度も浮上しては消え、地上で最も偉大な国でさえもいまだ葬り去ることのできないものだ。すでに長く暑い今夏、この国は実のところ、この問題の解決において後退しているのではないかと感じられる。われわれは1970年代の越境通学バスの利点と欠点について再び議論している。また、移民を巡る議論が人種を巡る長い戦いとどうしようもなく絡み合う状況も目の当たりにしている。ここにきて、誰が人種差別者であるかの意見さえ一致しないことも露呈した。ドナルド・トランプ大統領が非白人の民主党女性議員4人に対し、「完全に崩壊した犯罪が横行する出身地に帰って立て直しを支援すべきだ」とツイートした際、多くの人が人種差別だと非難した。4人のうち3人は米国生まれであり、その「出身地」はブロンクス、デトロイト、ボストンだ(4人目の標的であるイルハン・オマル下院議員は10歳の時にソマリアから米国に渡った米国市民だ)。トランプ氏に批判的な向きは、4人への攻撃はその「異質性」、つまり人種に基づくものだと主張している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は一連のニュースを伝える記事の中で、トランプ氏のツイートを「人種差別的」だと表現した。