一方、日本の「サイレントマジョリティ」である現役世代・若者の「中道層」は、まったく白けていたのではないだろうか。それは、今回の選挙で、誰も将来の日本についての展望を語ってくれなかったからである。

 安倍政権は、アベノミクスの実績を誇っている。しかし、アベノミクスとは規模が異次元なだけで、従来型のバラマキ政策による斜陽産業の大企業を守ってきただけだ。今後、日本を成長させてくれる新しい産業は生まれてこない。

 その結果、「カネが切れたら、またカネがいる」とばかりに、異次元の金融緩和やマイナス金利政策、緊急経済対策、補正予算が打ち出され続けている(第163回・P.2)。また、年金など社会保障や健康保険などの費用が急増している。要は、政府がバラマキを続けなければ生きていけない経済となっている。あえていえば、日本は「過去に築いてきた遺産を食いつぶし、老人を食べさせていくだけの国」になったということだ。

 それでは、野党共闘はどうかといえば、消費増税に反対し、「子ども国債」を発行し、大企業・富裕層への増税で財源を賄うとして、安倍政権以上にバラマキ策を打ち出している。要は、「過去の遺産をもっと食いつぶすことで、老人も現役世代・若者も、政府が食べさせていく国」にするというのだ。

 結局全ての政党が、過去の遺産を食いつぶしながら現在の日本を維持していく政策を提示している。しかし、少子高齢化が進んで経済の規模が次第に縮小し、社会のいろいろな場面で人手不足や財源不足が明らかになっている。